ベルリン在住Nangdoのアルバム元はHIP-HOPのビートを作っていたという彼の新しいEPは、地味なジャケットからは想像出来ないバラエティに富んだ内容。TEKLIFE直系のメロディアスなJUKEから、オートチューンボイスを使った今風のHIP-HOP JUKE、TASO風の悪TRAP
JUKEまでとフロアからリスニングまで幅広く使えるものが収録されているクレジットは7曲だが、アルバム購入時にボーナストラックが更に7曲ついてくるお得な一枚になっているので是非購入をお勧めする。ボーナストラックもクオリティーが高く、どのトラックを聴いても非常に器用な印象でこれからのシーンに一石を投じてくれる存在になりそうだ
また今作ではボーナストラックに東京出身ベルリン在住のBreakcoreトラックメイカーmorihiro氏が参加。彼の作るJUKEも面白い
アッパーなトラックが並ぶ彼のEPもチェックしてみて欲しい。
全5曲と収録曲は多くはないが、ジャジーなものからジャングル風なものまでと曲ごとに質感が異なり飽きる事なく何度も聴けるものとなっている
サンプリングがバラエティーに富んでおり、JUKE/FOOTWORKではお馴染みのRoland TR808のスネアなど、ド定番な音がほぼ使われていないのもこのEPの特徴。
またハイハットでリズムを刻むということがほとんどの曲でされておらず、
非常に少ない音数の中でグルーブを出していっているのが筆者的にも大好物だ
一風変わったJUKE/FOOTWORKを探している人にオススメしたい作品である。
過度なエディットは施さず、原曲のノリをそのまま生かしリズムだけをジュークに変換するスタイルをジュークドアウト(Juked
Out)といいますもともとは治安上の問題からシカゴのクラブでジュークが禁止されていた時代に、Gant-Manらがジュークをラジオでプレイしてもらうために思いついた手法です。そしたら不思議、クラブで掛からないジュークがラジオで掛かるようになったのです2000年代初頭シカゴのジューク滅亡の危機は、こうして乗り切られたんですね。
さてさて、長崎?佐世保を拠点に活動するトラックメーカー、Poivre(ポワブル)は、そんなジュークドアウトが大得意な日本人のひとりこれまでジュークドアウトシリーズで3枚をリリース(他のシングルでも多用してます)。毎回クラブヒットからヒップホップ、ポップスなどを気ままにセレクトしていますが、軽妙な切り口でもジュークに消化されていて、フロアでもしっかり映えますこれまでの彼の作品だと、VOLO「Don't
Like Me」のジュークドアウトがめちゃくちゃ良くできててスーパー最高でした()。 今回はChance The Rapper、Y2Funxでも活躍するKick a
Show、そして谷村新司などをピックアップし、バリエーション豊富どれも原曲からして素晴らしいのですが、そのノリを壊さず仕上がっていてリスニングとしても良質です。個人的にはなかでもHadson Mohawke「Scud
Books」のリミックスが出色で、悪そうなホーンとトラップのいかにもな原曲をスピードアップすると、軽いタッチに変貌してレイヴテクノみたいな質感にシンセのシーケンスがまるでオービタルのチャイムみたいに聞こえて、おもしろくかつエモい。ジャンプアップぽく聞こえる原曲のリズムの途中からさらにアーメンブレイクが入るのですが、それがまたレイヴ感をさらにアップエディットで追加されたシンバルがアーメンとめちゃくちゃマッチしてて、相当イケてます。たったこれだけなのにセンス爆発そして、聞こえはしっかりジュークなのがマジすごいな~。
一聴して変とか実験的なサウンド、「なんだこれ!?感」もジュークのひとつの側面ですが、「踊れる?楽しい」という音楽の基本的な機能が僕にはとても大切に思えます音楽に詳しくない人が彼の曲を聴いたら、「良い曲だね~」って言って、リミックス、もっと言えばジュークであることすら気付かないまま、最後まで聴き終わるかもしれない。それぐらいスムーズに仕上げている僕は、ジュークを「変哲のないポップミュージック」にすることもまた、難しいこと?実験的なことじゃないのかなと思うのです。「ジュークのヤバい」は一義嘚じゃないいっぱいあるのです。ま、こんなこと音楽好きにしたら当たり前でしょうが (D.J.APRIL)
}